転写因子を用いた高速幹細胞分化プラットフォーム

Quick-Tissueシリーズ
分化誘導試薬・分化細胞・分化受託サービス

Quick-Tissue™技術とは?

Quick-Tissue™技術は、エリクサジェン・サイエンティフィック社が専有する転写因子を用いた細胞分化誘導技術で、ヒトiPS/ES細胞を様々な種類のヒト細胞へ高速かつ再現性高く分化させることができます

Quick-Tissueシリーズでは、個々の研究者のご要望に合わせて以下の3種類の製品・サービスをご提供しています。

  • 多能性幹細胞分化誘導キット(センダイウイルス/mRNA)

  • ヒトiPS細胞由来分化細胞(健常者株/疾患株由来)

  • 分化受託サービス

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高速かつ簡便

Quick-Tissue™シリーズの分化誘導キットを用いることによって、iPS/ES細胞の分化誘導を、最速で行うことが可能です。

例えば、当社のQuick-Neuron™ Cholinergic kitは、どのプロトコルよりも分化誘導速度が最も速く、わずか一週間でiPS/ES細胞を機能的な神経細胞へ分化させます(右図)。この高速分化技術は分化効率も高く、iPS/ES細胞からコリン作動性神経細胞への分化誘導効率は90%程度になります。

機能的

Quick-Tissue™技術で作製したMixed Neuron(現在は販売中止)の多電極アレイ(MEA)を用いた評価では、強く特異的な同期バーストが検出されます。化合物を添加した際の反応では、投与量に応じた化合物特有の薬剤応答が見られました(下図)。Quick-Tissue™技術で作製した興奮性神経細胞を用いたMEA評価でも、同様の結果を得ております。

また、当社では健常者由来だけでなく、患者由来の様々な神経細胞種もご用意しておりますので、疾患モデルの構築や薬剤評価などへの利用も可能です。詳しくはお問合せ下さい

MEA上での位相差画像神経ミックス(解凍後50日目)

Multiple subtype-specific markers were examined by immunocytochemistry

Neural network burst data shown here are captured with MED64 Presto (AlphaMED Scientific) 64 days after thawing Mixed Neurons (data provided by Dr. Ikuro Suzuki at Tohoku Institute of Technology).

幹細胞株を選びません

研究目的に応じて、iPS/ES細胞株を選択し、、それらを希望する細胞種へ効率よく分化できることは、研究推進において非常に重要です。Quick-Tissue™シリーズの分化誘導キットは、どの細胞株でも同様に分化誘導できるロバスト性を有しています。細胞バンクの様々なiPS/ES細胞株のみならず、ご自身で樹立されたiPS細胞株でも同様に高効率な分化誘導が可能です。さらには、CRISPR/Cas9のような遺伝子編集技術を用い、特異的な変異を導入したヒトiPS/ES細胞株から神経細胞へ分化誘導することも可能です。

様々な疾患患者由来のiPS細胞株の利用が可能

当社では、California Institute for Regenerative Medicine (CIRM) が保有している様々な疾患患者由来のiPS細胞株から分化させた分化細胞を販売しております。利用するに当たり、ご購入者様が新たなライセンスを取得する必要はありません。

特定の疾患関連株や健常者株から分化させた神経細胞をご希望の方は、お問合せ下さい

CIRMは1,500株以上のiPS細胞株を保有しており、5種の疾患クラスおよび、疾患毎に年齢層が一致した健常者由来のiPS細胞株があります(右表)。。これらのiPS細胞株の詳細(臨床データを含む)については、こちらをご確認ください。

CIRMアルツハイマー患者由来iPS株(CW50114)からQuick-TissueTM技術を用いて作製したコリン作動性神経細胞

Category No. of iPSC lines
Control Cell Lines 302
Brain Diseases 304
Alzheimer's Disease 65
Autism Spectrum Disorder 113
Cerebral Palsy 19
Epilepsy 47
Intellectual Disability 60
Blinding Eye Diseases 175
Age-related Macular Degeneration 120
Diabetic Retinopathy 34
Glaucoma, Primary Open Angle 21
Heart Diseases 442
Cardiomyopathy, Dilated 313
Cardiomyopathy, Hypertrophic 74
Cardiomyopathy, Left Ventricular Non-Compaction 9
Cardiomyopathy, Arrhythmogenic Right Ventricular 2
Cardiomyopathy, Restrictive 1
Cardiomyopathy, Other 43
Liver Diseases 131
Hepatitis C 93
NASH and Steatosis 38
Lung diseases 191
Idiopathic Pulmonary Fibrosis 191

ゲノム修正したiPS細胞株への適用例

ゲノム修正したiPS細胞株からQuick-Tissue™技術を用いて分化させた骨格筋細胞(B,D)では、修正前の疾患iPS細胞株から分化した骨格筋細胞(A,C)と比較して、疾患特異的なRNA凝集が消失していることを確認しています。

Wang et al., (2018). Therapeutic Genome Editing for Myotonic Dystrophy Type 1 Using CRISPR/Cas9. Molecular Therapy 2018;26:2617. [PubMed] [Molecular Therapy] [Kindly provided by Dr. Xia, University of New Mexico]

用途に応じてサイズが選べます

Quick-Tissue™シリーズの分化誘導試薬は、複数の転写因子を組み合わせたカクテルになっています。Smallキットでは、24ウェルプレートの4ウェル相当の分化細胞が作製できます。Largeキットでは、10㎝デッシュ1枚相当、もしくは96ウェルプレート全ウェル相当の分化細胞が作製できるため、毒性評価用として薬剤スクリーニング等の大規模用途にも適応可能です。

遺伝子改変を起こしません

一般的にレンチウイルス等を用いた遺伝子導入技術では、導入遺伝子がゲノムに挿入されるため、それが遺伝的な「足跡」となり、ゲノムへの様々な影響が懸念されます。一方、Quick-Tissue™シリーズの分化誘導は合成mRNAやセンダイウィルスを用いた技術のため、分化誘導過程で遺伝子改変を起こしません。これにより、レンチウィルス等を用いた遺伝子導入技術で生じるゲノムへの影響を回避することが可能です。

RNAを用いたQuick-Tissue™シリーズ 分化誘導キット

合成mRNAを用いたQuick-Tissue™シリーズの分化誘導キットは、対象となる細胞への分化誘導のためにRNAベクターを使用しています。一般的にRNAは細胞質での翻訳時に消費されるので、本キットに含まれるRNAは遺伝子改変を伴わずに分化誘導後を行い、その後分解され消失します。

センダイウイルスを用いたQuick-Tissueシリーズ

センダイウイルスを用いたQuick-Tissueシリーズの分化誘導キットは、対象となる細胞への分化誘導のためにセンダイウイルス(SeV)を使用しています。SeVはRNAをゲノムに持つウイルスで、そのライフサイクルの中でDNAを利用することが無いためウイルス由来の遺伝情報が宿主のゲノムに組み込まれる危険性がほとんどありません。さらに、当社のキットは温度感受性を示す特別なセンダイウイルスを使用しており、33℃では活発に遺伝子複製を行いますが、37℃になると失活する仕組みとなっています。この失活化処理により、ウイルスは細胞内から速やかに除去されます。

多能性幹細胞分化サービス

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エリクサジェン・サイエンティフィック社では細胞の分化サービスも行っております。当社の細胞分化誘導サービスでは、遺伝子改変がなく純度の高い分化細胞をご提供致します。

お客様のお手持ちのヒトiPS/ES細胞を弊社へご送付いただければ、受け取り直後に分化誘導を始めた場合、1-2週間で分化細胞または分化途中の細胞をお客様へお届け致します。分化サービスのご相談は無料で承っておりますので、まずはお気軽にお問合せください。ご相談の上でお客様のニーズに合わせた最適なサービスをご提供致します。

製品パイプライン

組織・細胞タイプ製品分化誘導キットiPS細胞由来分化細胞分化サービス

興奮性神経

Quick-Neuron™ Excitatory

GABA作動性神経

Quick-Neuron™ GABAergic

ドーパミン作動性神経

Quick-Neuron™ Dopaminergic

コリン作動性神経

Quick-Neuron™ Cholinergic

骨格筋細胞

Quick-Muscle™ Skeletal

Quick-Tissue™技術の応用例

薬効評価への応用

Quick-Tissue™技術と疾患患者由来iPS細胞株を併用したハイスループットスクリーニング(HTS)によって、今までにない効率で、より良い薬剤や治療方法の探索が可能になります。
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毒性・安全性評価への応用

Quick-Tissue™技術で高速に分化誘導を行うことで、素早くかつ効率的に薬剤、産業、環境化合物の毒性評価を実施することができます。
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個別化医療への応用

個別化医療は、個々の患者様に最適化された薬剤を選ぶことが大きな目標です。Quick-Tissue™技術により患者様由来iPS細胞から目的の細胞を短期間で作製することで、テーラーメイド医療の実現に貢献します。
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組織チップへの応用

組織チップ(臓器チップ)は薬剤候補の安全性や有効性を臨床試験前に評価するために使用することができ、早期実用化が期待されています。Quick-Tissue™技術を用いることで開発を大きく加速させることが可能です。
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3Dバイオプリンティング

3Dバイオプリンティング技術とQuick-Tissue™技術を併用することで、3Dプリントされた足場材上でヒトPS細胞を分化させることが可能です。
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移植治療への応用

再生医療においてキーとなるパラダイムの一つに、ヒトES/iPS細胞株から分化させた細胞を用いて、患者に必要な細胞/組織/臓器を作製し移植できるようにすることが挙げられます。例えば、骨格筋細胞の筋ジストロフィー患者への利用、ドーパミン作動性神経細胞のパーキンソン病患者への利用、膵臓β細胞の糖尿病患者への利用、心筋細胞の心不全・心筋梗塞患者への利用などが考えられます。ヒトES細胞/iPS細胞からこれら目的となる細胞種の製造に、Quick-Tissue™技術を応用することも可能です。
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研究モデル

Quick-Tissue™技術によってヒト分化細胞をより簡単に扱えるようになります。
以前の伝統的な基礎研究や応用生物医学研究では、ヒト由来以外の細胞(マウスなど)が使用されてきました。その理由の一つとして、研究に適したヒト細胞の培養系を確立できなかったことが挙げられます。しかし、ヒトES細胞やiPS細胞が利用可能になったことで、本質的には人の体を構成する全ての細胞を作出することも可能になりました。Quick-Tissue™技術を用いることで、ヒトの発生、細胞分化などの基礎研究、バイオメディカル分野でヒト以外の細胞を用いて研究を進めきた研究者が、分化したヒトの細胞をかつてないほど簡単に扱えるようになります。
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新たな幹細胞研究者の育成

Quick-Tissue™シリーズはどなたでもすぐに取り入れられる簡便なキットです。幹細胞研究にかかる時間と手間を削減するとともに、幹細胞の取り扱い経験の浅い研究者を最前線の幹細胞研究者に成長させます。
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